ソルフェージュのレッスンを受けられるようになりました。今までは、差し当たって必要であると判断した生徒にのみ、視唱、リズム打ちや聴音の課題を楽器やセオリーのレッスン内に取り入れて行っていましたが、それだと肝心の楽器やセオリーがおろそかになってしまうため、それとは別に独立した時間を設けることにいたしました。
ソルフェージュのみのレッスン(グループ)も特定の時間枠で承っていますが、楽器のレッスンを受けている人は、レッスンを延長する形で受講出来、お値段も大変お得になっています。
レッスンは視唱(singing)と書取り(dictation)の2つの軸を中心にすすめていきます。
・視唱
楽譜を読みながら、ドレミで、正確な音程、リズム、表情を付けて歌えるようにする訓練です。はじめて見る楽譜を見て、音をだす前に音楽をイメージ出来る能力を身につけます。
・書き取り
音を楽譜に書き起こすことを通して、楽譜と音を結びつけます。音の長さや高さの把握、音感の向上を目指します。
レッスンをおすすめするのは、ほぼ全てのレベルの生徒ですが、特に次の様な方におすすめします。
・楽譜をより早く読めるようにしたい人(初見能力の向上)
・楽譜をより正確に読めるようにしたい人(読譜能力の向上)
・リズム感を向上したい人
・表現豊かに演奏出来るようになりたい人
・グレード試験の受験(特にオーラル対策)、またはセカンダリー・音楽大学等の受験を考えている人
・より高いレベルの演奏を目指す人
グレード試験でのオーラル対策等を行っていると、普段からソルフェージュ等をやっていればできるであろう問題が多い事に気づきます。勿論試験対策のレッスンも致しておりますが、試験問題を繰り返し行なう事により、問題そのものに慣れることはできるものの、音楽能力の根本的な向上にはあまり貢献しないように思えます。
また、音楽の道に進むことを少しでも考えている人にはソルフェージュは必須でしょう。少なくともソルフェージュの訓練無しにクラシックの音楽をするのは、おそらく不可能だと思います。
ところで、絶対音感をつけたいという要望や、それに関する質問を受けることがあります。ソルフェージュ訓練で精度の高い絶対音感を身につける事も可能ですが、レッスンの最終目的は絶対音感の獲得ではありません。音にはピッチ以外にも沢山のアスペクトがあります。音に対して鋭敏になるということと、絶対音感をつけることは必ずしも同一ではありません。ついでに言えば、古楽演奏や合唱等の盛んなイギリスでは絶対音感はあまり評価されていません。大学(ギルドホール音楽院)時代、ストリングのクラスで絶対音感を持っていたのは留学生のうち半分位でした。勿論、絶対音感保持と演奏のレベルとは全く無関係です。
— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター教室 (ロンドン)