2017/11/29
普通のことができること
12月に行うアンサンブルのコンサートに向けて、その準備に忙しくしています。最近アンサンブルの指導をしていて、よく指摘しているなと思うのは「リズム」です。指摘するのは、特に複雑なリズムパターンについてではなく、どちらかというと単純に見える(4分音符や8分音符で構成されるような)リズムパターンです。あまりに基本的で簡単そうに見えるためか、あまり注意して練習されないのかもしれません。一人でひいている時は良いのですが、皆で合わせてみると各自のタイム感の差によってバラバラになってしまいます。
このようなリズムや、テンポキープに関するトレーニングには、よく言われるようにメトロノームを使って練習するのが良いでしょう。しかし、ただ使うだけでは良くならない事もあります。メトロノームの音を聞いて音を出して合わせているのでは、発音が遅れてしまいますし、自分の内部に安定した拍節感覚を作って行くことができません。そういう場合はメトロノームの使い方にひと工夫する必要があります。それについては長くなるので別の機会にいたしましょう。
アンサンブルの話題に関連してもう一つ、以前伴奏についての記事(伴奏は無駄?)を書きましたが、合奏において伴奏パートというのは、主旋律パート以上に大事だと思われることがあります。伴奏が安定しているからこそ、旋律パートは自在に歌い、表現することができるからです。そのような大事なパートを任せられるのは、何より普通のことが普通にできる人です。特別な技術はほとんど必要ありません。それよりも、前述のような基本的なリズムパターン等を正しく弾くことが出来る、弾きながら他人の音を聞くことが出来る、そういう事が大切です。実際、今までいろいろな生徒を見てきましたが、そういう事ができている人、そういう事をしっかり考えて練習してきた人というのは、長年やっている方の中でさえも、意外とあまりいないようです。そういう意味で、基本のできている人というのは、誰からも重宝されるでしょう。
ロンドンで一緒に音楽を楽しみませんか? — Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室<
2017/11/14
鍵盤ハーモニカによる「鐘のキャロル」
ウクライナのキャロル「Shchedryk」の動画をYoutubeのチャンネルにアップロードしました。「Shchedryk」 は日本ではあまり耳にしない気がしますが、「Carol of the Bells」というタイトルで英語圏を中心に、世界的に人気のある楽曲です。音の木音楽教室の2016年の冬のコンサートで、生徒を中心に、こどもとおとなの12人が鍵盤ハーモニカで演奏しました。美しい曲ですので、是非聞いてみてください。
尚、スコアがこちらのサイトからPDFで買えるようになっています。演奏の難易度自体は高くありませんので、是非ピアノ教室や学校などで、人を集めてチャレンジしてみてください。パート数は4つですが、出来るだけ人数が多いほうが面白くなると思います。
一緒に音楽を楽しみましょう — Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室
尚、スコアがこちらのサイトからPDFで買えるようになっています。演奏の難易度自体は高くありませんので、是非ピアノ教室や学校などで、人を集めてチャレンジしてみてください。パート数は4つですが、出来るだけ人数が多いほうが面白くなると思います。
一緒に音楽を楽しみましょう — Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室
2017/11/12
伴奏は無駄?
伴奏が独奏に比べて軽視されているという事があるようです。とある生徒から、日本の音楽教室で習っていた先生に、伴奏など時間の無駄だからやってはいけないと教えられていたと聞き、そんな考え方が世の中にはあるのかと驚いていたのですが、ギタリストの福田進一さんも同じような事があると仰っておられました。
少なくともヨーロッパでは伴奏が格下であるような話は聞いたことはありません。ヨーロッパの普通の音楽大学には伴奏法のクラスがあるだけでなく、伴奏科という専門のコースが設置されています。
ギタリストやピアニストと言うと、何故かソリストのようなものを直ぐに想像されるようなのですが、実際の音楽の仕事としては、ソリストよりも伴奏者としての仕事の方が圧倒的に多いのです。和声を出せる楽器としては当然の需要でしょう。仕事をした人ならわかりますが、多く場合、ソロばかりの仕事の機会はそれほど多くありません。ですから、もし伴奏が出来ない、人と合わせられないとしたら、これはピアニスト・ギタリストとしては致命的といえます。いつも、ひとりぼっちで演奏することになるでしょう。
ソロ演奏ができるのに伴奏が出来ない人などいるのかと疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、事実、音楽大学を卒業していても、独奏しかしてこなかった人の中には、他人と演奏が全く出来ない方がいらっしゃいます。指はもちろん動くのですが、人と同じテンポで弾けない、テンポを一定に保つ事ができない、他人の音を聞いて合わせることが出来ない等などの問題を抱えているのです。大学を出るような段階に来てしまっていれば、残念ながらもう手遅れです。
ピアノやギターの学習の過程では、残念ながらどうしても一人ぼっちの音楽になりがちです。その問題を解決するために、音の木音楽教室ではアンサンブルのコンサートを企画して、他人と演奏する機会を作ってきました。そこで体験できるのはごく基本的な内容なのですが、その基本的な事こそが非常に重要だと考えています。
もしも機会があるならば、積極的に伴奏を買って出たり、他人と演奏するのはとても良い事だと思います。そこで色々なことを学べるならば、それが独奏にも良い方向に影響するでしょう。
一緒に音楽を学びませんか? — Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室
30数年前の話、日本に帰国したての頃。工藤重典との演奏会の後で、「他の楽器の伴奏をするとは何事か!お前は笛吹きの下僕になる為にパリに行ったのか!」と僕を説教し、揶揄したギター界の重鎮がいた。— 福田 進一 (@fukushinsanchan) October 29, 2017
今、この意見を皆が非常識だと思える時代になってるとしたら、僕もやった甲斐があると思うな。
伴奏者は独奏者より格が下という考え方はギターだけでなく、ピアノの世界にも根強く残っていて、今だにひとつの弊害になってる。ドビュッシー、オネゲルをはじめフランスの偉大な作曲家は皆、伴奏科の出身だし、逆に伴奏が出来なければ絶対に良いソリストにはなれないのは常識。 https://t.co/H6LZIXATXv— 福田 進一 (@fukushinsanchan) October 31, 2017
少なくともヨーロッパでは伴奏が格下であるような話は聞いたことはありません。ヨーロッパの普通の音楽大学には伴奏法のクラスがあるだけでなく、伴奏科という専門のコースが設置されています。
ギタリストやピアニストと言うと、何故かソリストのようなものを直ぐに想像されるようなのですが、実際の音楽の仕事としては、ソリストよりも伴奏者としての仕事の方が圧倒的に多いのです。和声を出せる楽器としては当然の需要でしょう。仕事をした人ならわかりますが、多く場合、ソロばかりの仕事の機会はそれほど多くありません。ですから、もし伴奏が出来ない、人と合わせられないとしたら、これはピアニスト・ギタリストとしては致命的といえます。いつも、ひとりぼっちで演奏することになるでしょう。
ソロ演奏ができるのに伴奏が出来ない人などいるのかと疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、事実、音楽大学を卒業していても、独奏しかしてこなかった人の中には、他人と演奏が全く出来ない方がいらっしゃいます。指はもちろん動くのですが、人と同じテンポで弾けない、テンポを一定に保つ事ができない、他人の音を聞いて合わせることが出来ない等などの問題を抱えているのです。大学を出るような段階に来てしまっていれば、残念ながらもう手遅れです。
ピアノやギターの学習の過程では、残念ながらどうしても一人ぼっちの音楽になりがちです。その問題を解決するために、音の木音楽教室ではアンサンブルのコンサートを企画して、他人と演奏する機会を作ってきました。そこで体験できるのはごく基本的な内容なのですが、その基本的な事こそが非常に重要だと考えています。
もしも機会があるならば、積極的に伴奏を買って出たり、他人と演奏するのはとても良い事だと思います。そこで色々なことを学べるならば、それが独奏にも良い方向に影響するでしょう。
一緒に音楽を学びませんか? — Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室
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