音楽に関する和製英語は沢山ありますが、今回はその中でも特にギターに関係するものをいくつか集めてみました。
・クラシックギター
英語では、Classical Guitar(クラシカル・ギター)です。または、Spanish Guitarと呼ぶこともあります。
・ストローク
「ジャカジャカとかき鳴らす」ことを日本ではストロークといいますが、英語でそれに値するのはStrumming(ストラミング)です。
ストロークという単語自体はれっきとした英語で、実際使われるのですが、必ずしもこの「かき鳴らす」動作を指すのではなく、一度「打つ」動作、たとえばupstrokeやdownstroke等の形をとって、ピッキングの場合でも「upstroke picking」のような形で使うことができます。
・カッティング
日本語で、(ブラッシング)ミュートと組み合わせるリズミカルなストロークのことを特に「カッティング」と呼びますが、英語ではストローク・カッティングには区分はなく、全てストラミングと呼ばれています。
・ブラッシング
ミュートした弦をストロークする演奏法のことですが、英語はMuted Strumming、Muted Strumなどです。・ブリッジ・ミュート
・チョーキング
チョーキングに値する英語はBending[名]。消音(=Damping)のことをチョーキング(Choking)と呼ぶことがあります。
・ハンマリング
英語ではHammer-onです、前置詞onをつける必要があります。Hammer-onは技術的動作を示す言葉ですが、クラシックギターの場合は、音楽的概念を示すAscending slurの方をよく使います。
・プリング
英語では Pull-off です、前置詞offをつける必要があります。日本語のプリングは英語のpudding(プリン)と少し似ています。もしくはクラシックなどでは、Descending Slurです。
・ライトハンド奏法
右手の指で弦をフレットに叩きつけて音を出す奏法ですが、英語ではTappingで、他にTap Style、Touch Styleなどがあります。
・シールド
英語ではCable。シールドはShielded Cable(保護されたケーブル)の短縮形だと思われますが、Shieldだけだと「盾」の意味にとられてしまいます。
・ピックアップ
ピックアップ自体は和製英語ではなく、れっきとした英語なのですが(英語=Pickup)、ピックアップの位置を示す言い方がちがいます。
フロントピックアップ:Neck Pickup
センターピックアップ:Middle Pickup
リアピックアップ:Bridge Pickup
・エフェクター
英語では、EffectsやEffects Unit、足で操作するものをとくにEffect Pedal、Stompbox等と呼びます。
・アポヤンド・アルアイレ
アポヤンド・アルアイレは和製「英語」ではなく、スペイン語なのですが、注意が必要なため取り上げておきます。指弾きで隣の弦によりかかる奏法である「アポヤンド」は英語でRest Stroke、それから寄りかからない奏法「アルアイレ」はFree Strokeと呼ばれます。Apoyando(アポヤンド)は英語圏でも通じますが、アルアイレは使われず、Tirando(ティランド)と言います。