30数年前の話、日本に帰国したての頃。工藤重典との演奏会の後で、「他の楽器の伴奏をするとは何事か!お前は笛吹きの下僕になる為にパリに行ったのか!」と僕を説教し、揶揄したギター界の重鎮がいた。— 福田 進一 (@fukushinsanchan) October 29, 2017
今、この意見を皆が非常識だと思える時代になってるとしたら、僕もやった甲斐があると思うな。
伴奏者は独奏者より格が下という考え方はギターだけでなく、ピアノの世界にも根強く残っていて、今だにひとつの弊害になってる。ドビュッシー、オネゲルをはじめフランスの偉大な作曲家は皆、伴奏科の出身だし、逆に伴奏が出来なければ絶対に良いソリストにはなれないのは常識。 https://t.co/H6LZIXATXv— 福田 進一 (@fukushinsanchan) October 31, 2017
少なくともヨーロッパでは伴奏が格下であるような話は聞いたことはありません。ヨーロッパの普通の音楽大学には伴奏法のクラスがあるだけでなく、伴奏科という専門のコースが設置されています。
ギタリストやピアニストと言うと、何故かソリストのようなものを直ぐに想像されるようなのですが、実際の音楽の仕事としては、ソリストよりも伴奏者としての仕事の方が圧倒的に多いのです。和声を出せる楽器としては当然の需要でしょう。仕事をした人ならわかりますが、多く場合、ソロばかりの仕事の機会はそれほど多くありません。ですから、もし伴奏が出来ない、人と合わせられないとしたら、これはピアニスト・ギタリストとしては致命的といえます。いつも、ひとりぼっちで演奏することになるでしょう。
ソロ演奏ができるのに伴奏が出来ない人などいるのかと疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、事実、音楽大学を卒業していても、独奏しかしてこなかった人の中には、他人と演奏が全く出来ない方がいらっしゃいます。指はもちろん動くのですが、人と同じテンポで弾けない、テンポを一定に保つ事ができない、他人の音を聞いて合わせることが出来ない等などの問題を抱えているのです。大学を出るような段階に来てしまっていれば、残念ながらもう手遅れです。
ピアノやギターの学習の過程では、残念ながらどうしても一人ぼっちの音楽になりがちです。その問題を解決するために、音の木音楽教室ではアンサンブルのコンサートを企画して、他人と演奏する機会を作ってきました。そこで体験できるのはごく基本的な内容なのですが、その基本的な事こそが非常に重要だと考えています。
もしも機会があるならば、積極的に伴奏を買って出たり、他人と演奏するのはとても良い事だと思います。そこで色々なことを学べるならば、それが独奏にも良い方向に影響するでしょう。
一緒に音楽を学びませんか? — Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室
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