ピアノを習えば楽譜が読めるようになる、という事を耳にすることがあります。また、そのなのかと質問を受けることがあります。実際、ピアノを子供に習わせられる親御様の中には、ピアノそのものの学習よりもそちら、つまり読譜力の向上を期待して習わせる方もいるようです。
他の先生方からもお話を聞いたり、自分自身もレッスンをして沢山の生徒に触れてきましたが、結論からいえば、とにかくピアノを習えば楽譜がすらすらと読めるようになるというのは、あまり正しくありません。特に現地校でピアノレッスンを受けていた方からは、長年やっていても全然読めるようにならない、サイトリーディングが苦手、読む速度が上がっていかない等、よくご相談を受けますし、また、そのように苦労されている生徒を沢山見てきました。
それでも、やはりピアノが読譜力の向上に一番の近道じゃないの?という声も聴こえてきそうですが、音の木音楽教室の例で言えば、ピアノの生徒よりもすらすら読めるギターの生徒も沢山いらっしゃいますし、習う楽器と読譜力の向上には関連性はあまりないように思えます。確かにピアノは大譜表(二段譜)の楽譜を用いますし、他の楽器に比べて扱う音符の量も多いため、少なくとも読むチャンスは増えるのでは?と思いますが、しかし、もし音符の数が多い分だけ、より時間をかけて読まなければならないとしたらどうなのでしょうか。書かれた音符の数が読む速度を上げるのではなく、速く読もうと努力してこそ読む速度は上がっていくのです。
どんな楽器を選ぼうが、楽譜が読めるようになるためには、楽譜を読むこと以外には方法はありません。ある生徒が、毎回のレッスンで曲をちゃんと仕上げてくるのに関わらず、一向に楽譜がよめるようになりませんでした。何故かと言えば、家でお母さんが横で生徒の譜読みを代わりにしていたからです。小さなお子様の場合等は特に、そのような第三者の助けも必要でしょう。しかし、ゆくゆくは自分自身で読むようにしていかなければ、読めるようにはならないでしょう。本人の上達を辛抱強く見守ることのできる周囲の環境作りが大切です。
ピアノであれ、ギターであれ、ウクレレであれ、読めるようになるために、皆さまそれなりに苦労して勉強されています。同じ壁にぶつかって、それを乗り越えていきます。音の木音楽教室では、楽器のレッスンにソルフェージュやセオリーも追加して学ばれている方が多いですが、それによって、楽器のレッスンだけでは扱いにくい部分をカヴァーしています。音符に触れて、音を想像し、音にする過程を何度も繰り返していくことで、次第に「読める」ように成っていくのです。個人によって進度に違いはあれ、そこには近道はありません。
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