フラットピックの場合、実際上、一度に保持できるピックは一つだけです。したがって、一度に弾弦できるのは一つの弦、あるいは隣同士の弦に限られ、その場合僅かな時間的ずれが生じます。単旋律を弾いたり、ストラミング等には使えます。ピックは素材や形状が様々あり、それによって音色や演奏特性が大きく異なります。一般的には、指に比べて細い音色になる傾向があり、ノイズ(ピッキングノイズ)を含んだシャープなアタックを伴います。単旋律をとにかく速く弾きたい場合や、音色を均一に揃える点では、指に比べてコントロールが容易です。
フィンガーピッキングでは、4本の指によって、複数の弦を同時に、独立にコントロールできます。また、離れた弦を同時に弾く事ができます。単旋律は勿論、複旋律も演奏出来ます。アルペジオはフラットピッキングに比べて簡単です。ストラミングも可能です。爪の入れ具合で音色を調整出来ますが、ピックに比べると若干ソフトなアタックになります。良いことづくめの様ですが、デメリットとしては、十分にコントロールするためには、フラットピッキングよりもより多くの訓練が必要です。
もう一つ、ピックを持ちながら他の指も弾弦に参加させる、ハイブリッドピッキングというのがあります。離れた弦を同時に弾く事ができる等、フィンガーピッキングの利点を幾つか利用できます。ただし、フィンガーピッキングに比べて使用できる指が限られるという意味では、少し自由度が減ります。また、ピックと指では大きな音色差が発生するために、それぞれに音楽的に違った役割を分担させるのが良いかもしれません。
私自身(小嵐)は、自分が必要とする事はほとんど指だけで足りているため、現在ではギターの種類にかかわらずほとんどフィンガーピッキングしか使用していません。ただし、たまにピック独特の細くシャープなアタックの音色が必要な場合や、特殊奏法の際にはフラットピックを使用しています。
このギターの時はフラットピッキング、別のギターの時はフィンガーピッキングというように特に決まったルールはありません。各自に必要なスタイルや音色を考慮して選択するべきでしょう。
— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室 (ロンドン)
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